しばらく大人をしてると
傷の痛さってのを忘れる。
子供のころはしょっちゅう膝すりむいたりして
よう軟膏ぬったり絆創膏はったりしとったけど。
おとなになってしまうと、
なかなかスライディングタックルとかする機会もないし、
着地の際に、手をつかなあかん程の高さから飛び降りたりもしない。
だからたまに紙でピッて手を切ったりしたとき、
最初傷の痛さをナメてかかってしまう。
”紙で切ったぐらい、どうもないわ。ドジやな、俺。”
ぐらいにしか思わない。
しかし、しばらくするとジンジンいたんできたりする。
ちょっと忘れてなんか持ったときとかに、不意打ちの痛みをくらう。
風呂に入るとしみたりする。


火傷とかはマジでなめないほうがいい。
あれは大人でも痛い。
野生の勘を忘れないように。
火は怖がろうぜ。現代人でも。
なんなんやろ この、(大人やから少々の怪我は大丈夫感)は。
確かに泣いたりはしないが、
それでも痛いもんは痛い。
忘れたらあかん。
痛いもんは痛い。
はいっ。 
(痛いもんは痛い)


爪の生え際のところをさくっと切った。
爪から第一関節方向に肉が開いた感じ。
言うても5mm程度やけど。
他人の傷なら見るのもいやだが、
自分のだと意外と平気。
血ぃ止まったし、絆創膏無しでもええかぁてなもん。
しかあああし、
ジャージのポケットに手を入れようとしたときに
チャックの部分が傷に触れた
痛えええよおお ちくしょううう
「チ、血ダァー!!」
ハート様!!ハート様がァ!!」


傷をナメるな。
ナメあうな。